NEURO2024

ご挨拶

岡部 繁男

岡部 繁男

第47回日本神経科学大会 大会長

(東京大学)

小泉 修一

小泉 修一

第67回日本神経化学会大会 大会長

(山梨大学)

山末 英典

山末 英典

第46回日本生物学的精神医学会年会 大会長

(浜松医科大学)

2024年7月24日(水)~27日(土)に福岡コンベンションセンター(福岡市)で開催される、日本神経科学学会(JNS)第47回大会、日本神経化学会(JSN)第67回大会、日本生物学的精神医学会(JSBP)第46回大会の合同大会、NEURO2024へのご参加をお願いいたします。JNSとJSNの合同学会はNeuro2022として2022年に、JSNとJSBPの合同会議は2018年に開催されたのが最後です。NEURO2024では、これらの過去の活動を踏まえ、JNSとJSBPが新たな連携を開始します。3つの学会は、それぞれの学会の独自性を保ちつつ、基礎・応用・臨床研究領域における脳科学の継続的な発展に寄与することを共通の目的としています。今日、脳科学は多様なテーマ、分野、領域をカバーしており、若手研究者にとっては生物学、医学、薬学、工学、社会科学さらには人文学にも関わる幅広い知識と技術を身につけることが重要になっています。JNS、JSN、JSBPというユニークな3つの学会の協力は、NEURO2024の参加者にとって、そうした脳科学の多様性を体験する上で有益なものとなるでしょう。

また、NEURO2024では、第8回アジア・オセアニア神経科学学会連合(FAONS)大会を併催することになりました。本連合は、複数国間の神経科学者の活発な交流を通じて、アジア・オセアニア地域の神経科学研究・教育の振興を図ることを目的としています。福岡市には22の国際都市を結ぶ国際空港があり、週800便以上のフライトがあるため、第8回FAONS大会において国際的なパートナーシップを築くには最適な場所となっています。歴史的にも福岡は重要な港湾都市であり、朝鮮半島やユーラシア大陸との外交・交易の拠点として栄えてきました。1784年に福岡で発掘された国宝「漢委奴国王印」は、古代中国と日本の外交関係を示す証拠とされています。国際交流の盛んな福岡の街で、複数の国の多様なバックグラウンドを持つ研究者が新たな友人を見つけ、また旧交を温めることを願っています。

脳科学の刺激的な新知見に触れることを、NEURO2024は最も重視します。今後10年間の脳科学は、個々のニューロンやグリア細胞がどのように相互作用し、複雑な回路や組織構造を構築し、最終的に人間の心が存在する脳全体の機能に統合されるのかを解明するでしょう。健康な脳と病気の脳に関する知識の蓄積は、かつては不治の病とも考えられていた脳疾患あるいは精神疾患に苦しむ当事者あるいは社会全体のために、こうした疾患を予測、予防、治療する新しい戦略の開発に貢献します。脳科学の境界は、物理科学や人文科学と融合し、急速に拡大しています。私たち脳研究者は、脳科学が科学、文化、社会の枠を超え、人間の心を読み解くために、未来に向けて前進していくことを信じています。

NEURO2024に参加して、脳科学の新しい潮流を体感しましょう!